
農機具の処分を検討する際に、最初に気になるのが買取価格ではないでしょうか。農機具買取の相場を理解しておくことで、損をせずスムーズに農機具の売却ができる可能性が高まります。
この記事では、農機具の種類ごとの相場や価格の決まり方、高く売るためのポイントをわかりやすく解説します。さらに、信頼できる買取業者の選び方や、実際に買取を依頼する際の注意点まで解説。
これから査定を依頼しようとしている方や、まずは情報収集したいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
農機具の買取相場を知る前に押さえておきたい基本情報
農機具の買取相場の前に、まずは知っておきたいポイントを解説します。
農機具は売れる?中古市場の需要と流通事情
「古くても使い道があるの?」「こんな状態でも買い取ってくれるの?」
そのような不安を持っている方も多いですが、中古の農機具は、年式が古いものや状態が良くないものでも売却できる可能性があります。
それは、以下の理由から中古の農機具の需要が高まっているからです。
- 新品農機具の価格高騰により、中古市場を活用する農家が増加
- 海外(アジア・アフリカなど)では日本製農機具の人気が高い
- 一部の業者では、パーツ取りや整備再販のルートを確立している
そのため「もう廃棄するしかない」と思っていた農機具が、意外と高値で売れるケースも珍しくありません。
買取価格はどう決まる?査定の基本ポイント
農機具の買取価格は、いくつかの査定要素によって決まります。一般的に重視されるポイントは以下の通りです。
- メーカー・モデル(型式):クボタやヤンマー、イセキなどの有名メーカーは評価が高い傾向
- 年式・使用時間:新しいほど、稼働時間が少ないほど高評価
- 動作状況・整備履歴:問題なく動くか、過去のメンテナンス状況も査定に影響
- 外観の状態:サビ・汚れ・破損の有無、タイヤやベルトの劣化など
- 付属品の有無:取扱説明書、予備パーツ、アタッチメント類などが揃っていると加点対象
また、季節性(繁忙期直前は買取価格が上がる傾向)や、地域によるニーズの違いなども影響します
最近では、LINE査定やオンライン見積もりを導入している専門業者も多く、手軽に相場を把握できる環境が整いつつあります。
LINE査定について詳しく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。
>>農機具買取の「LINE査定」って実際どう?トラクターやコンバインのリアルな売却体験談も
農機具の種類別・最新買取相場の目安【2025年版】
農機具は種類によって買取価格に大きな差があります。
ここでは代表的な農機具を3つのカテゴリーに分け、それぞれの相場目安を解説します。
※買取価格は状態や年式、地域、業者によって大きく変動します。あくまで目安として参考にしてください。
トラクターの買取相場
トラクターは中古市場でもっとも需要の高い農機具のひとつです。特にクボタ・ヤンマー・イセキといった国内大手メーカーの機種は人気が高く、古くても状態が良ければ高額買取が期待できます。
年式の目安 | 馬力 | 状態 | 相場目安(例) |
---|---|---|---|
10年以内 | 20〜30馬力 | 良好 | 50万〜100万円以上 |
10〜20年 | 20〜30馬力 | 普通 | 20万〜60万円 |
20年以上 | 〜20馬力 | 稼働可能 | 1万〜15万円 |
人気のモデルはクボタGLシリーズ、ヤンマーKeシリーズ、イセキTUシリーズ などです。サビやオイル漏れ、タイヤの状態、エンジン始動の有無が価格に直結します。
コンバインの買取相場
コンバインは稲や麦などの収穫に用いられる収穫専用機で、中古市場でも一定の需要があります。特にクボタ・ヤンマー・イセキといった国内メーカー製で、故障が少なく稼働状態が良好な機種は、高価買取が期待できます。
年式の目安 | 刈幅 | 状態 | 相場目安(例) |
---|---|---|---|
10年以内 | 3条〜4条刈り | 良好 | 30万〜80万円以上 |
10〜20年 | 2条〜4条刈り | 普通 | 10万〜50万円 |
20年以上 | 〜2条刈り | 稼働可能 | 数千円〜15万円程度 |
刈取部・脱穀部・搬送部の摩耗や動作確認ができるかなどが査定のポイントで、使用時間(アワメーター)の少なさも高額査定に直結します。
エンジンはかかっても、刈取機構や搬送機構に不具合があると、減額されることが多いです。
その他の農機具の買取相場まとめ
その他の農機具の買取相場を以下にまとめました。
農機具の種類 | 相場目安(例) | 役割(概要) |
---|---|---|
田植機 | 1万円〜20万円 | 田んぼへの苗の植え付けを行う |
耕運機 | 1万円〜15万円 | 土を耕し、畝を作る小型機械 |
播種機 | 数千円〜10万円 | 種まきを自動化する機械 |
草刈機・芝刈機 | 数千円〜10万円前後 | 雑草・芝の刈り取りに使用 |
除雪機 | 数千円〜10万円前後 | 雪かきや除雪作業に使う小型機械 |
ユンボ | 10万〜100万円以上 | 掘削・整地など土木作業全般で使用 |
運搬車 | 数千円〜30万円前後 | 収穫物や資材の運搬用車両 |
発電機 | 数千円〜10万円 | 農作業時や災害時の電源供給 |
選果機 | 数千円〜30万円前後 | 果実や野菜の選別・仕分け機械 |
古すぎるモデルや動作不可のものは値段がつかないこともありますが、農機具専門業者であれば部品取りなどで対応してくれるケースがあります。
大型だけでなく、中型〜小型の農機具も、状態が良ければ値段がつくケースは少なくありません。特に近年は、家庭菜園や小規模農業での活用ニーズが増え、一定の需要があります。
以下の記事は、農機具の買取を専門で行っている「農機具でっく」の実際の買取実績が掲載されている記事です。気になる方はぜひチェックしてみてください。
メーカーによって買取相場が変わる!主要メーカー別の傾向
農機具の種類・メーカー・状態によって相場は大きく異なります。以下は、主要メーカー別の傾向をまとめたものです。
- クボタ(Kubota):国内外で評価が高く、全体的に高値がつきやすい
- ヤンマー(YANMAR):トラクター・コンバインなどで安定した相場
- イセキ(ISEKI):特に田植機や中小型トラクターで人気
- 三菱・シバウラなど:やや買取価格は下がる傾向。ただし動作品なら値段は十分つきます
農機具を高く売るコツと注意点
農機具は売り方次第で数万円〜数十万円以上、査定額に差が出ることもあります。
ここでは、買取価格をできるだけ高くするためのコツと、やってはいけない注意点を紹介します。
高価買取につながる4つのポイント
高価買取を狙うなら、下記4つのポイントを押さえておきましょう。
1. 使用後のメンテナンスと整備履歴を残す
査定時に重要視されるのが「整備状況」です。日頃のオイル交換やベルトの張り調整、部品交換などを記録として残しておくと、それだけで評価が上がります。
特に以下のような書類や記録があるとプラス査定になりやすいです。
- 点検整備記録(業者やディーラーによるもの)
- 修理伝票・部品交換履歴
- 購入時の取扱説明書や保証書など
整備状況が分かることで、「この機械は大事に使われていた」と判断されやすくなります。
2. 見た目をきれいにしておく
農機具は屋外で使われるため、泥・サビ・ほこりが付きやすいものですが、査定前に軽く洗浄し、外観を整えておくことで印象が大きく変わります。
- 泥汚れは高圧洗浄機やブラシで落とす
- プラスチック部分は布で拭き上げ
- 錆が軽ければ簡易的にサビ取りをする
見た目がきれいな農機具は「すぐに再販できそう」と判断され、買取価格も上がりやすいです。
3. 稼働確認ができるようにしておく
実際にエンジンがかかり、操作がスムーズに行えるかどうかは査定額に直結します。
- エンジンが始動できるか
- バッテリーが上がっていないか
- 操作レバーやペダルの反応が正常か
動かない農機具でも買取自体は可能ですが、稼働確認ができれば「整備不要」とみなされ、高額査定になりやすいです。
4. 売却のタイミングを見極める
農機具には需要が高まるタイミングがあります。特に「農繁期(田植え・収穫前)」は相場が上がる傾向にあるため、売却時期を調整できるならこの時期を狙いましょう。
- 田植機なら春前(2月〜3月)
- コンバインなら夏〜初秋(6月〜9月)
- トラクターは通年需要ありだが、春前がやや高め
急ぎでなければ、こうした時期を見計らって査定を依頼するのも一つの戦略です。
売却前にやってはいけないNG行動とは?
農機具の売却を考えているなら、下記の行動は控えましょう。
動かないまま長期間放置する
「使わないから…」と納屋の隅で放置してしまうと、バッテリーや燃料系がダメになり、最悪の場合「部品取りのみ」としてしか売れなくなってしまいます。
買取を考えるなら、動作可能なうちに売却の検討をすべきです。
農機具の解体・処分
農機具を解体・処分してしまうと、買取ができなくなります。状態が悪くても、農機具専門の業者なら部品として再利用するルートを持っていることが多いため、まずは買取業者に相談してみましょう。
一般のリサイクルショップに依頼してしまう
農機具は特殊な査定知識が必要なジャンルです。 一般的な不用品回収業者やリサイクルショップでは、正当な価値がつかないことも多く、数万円以上損をするケースもあります。
一般のリサイクルショップではなく、「農機具専門の買取業者」に依頼するのがおすすめです。その理由は、このあと解説します。
どこに売るべき?農機具買取の方法と業者選び
農機具の買取方法にはいくつか選択肢がありますが、査定額・手間・信頼性を総合的に考えると、「農機具専門の買取業者に依頼する」ことが最もおすすめです。
ここでは、主な売却方法の特徴と、専門業者を選ぶべき理由、失敗しない業者選びのポイントをご紹介します。
主な農機具買取の方法と特徴
以下が、主な農機具買取の方法と特徴をまとめたものです。
方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
出張買取 | 業者が現地まで来て査定・引取 | 重い機械でもOK、手間がかからない | 業者の対応エリアに制限あり |
店舗持込 | 自ら持ち込み | 即日査定・現金化できる | 小型機限定、大型農機は難しい |
オークション・個人売買 | ネットなどで個人間売買 | 希望価格で売れることも | トラブル・運搬・整備の手間リスク大 |
不用品回収業者 | 廃棄物として処分 | 楽に処分できる | 値段がつかない、損する可能性大 |
特に大型農機具や状態に不安がある場合は、出張買取に対応した専門業者を選ぶことで、手間も減らせて高額査定も期待できます。
農機具専門の買取業者がおすすめな理由
農機具の価値を正しく査定できるのは、農機具に精通したプロだけです。専門業者であれば以下のような強みがあります。
- メーカー・年式・パーツ構成まで詳細に査定可能
- 国内外への再販ルートを持っているため、買取価格が高い
- 故障・古い機種・不動品でも買取対応できるケースが多い
- 出張査定やLINEでの写真査定など、手軽な相談方法が充実
一方、農機具に詳しくないリサイクル業者や一般の買取店では、目利きができず、本来よりも低く見積もられてしまうリスクもあります。
だからこそ、「専門業者に査定依頼する」ことが後悔しないポイントなのです。
信頼できる買取業者を選ぶためのチェックリスト
- 農機具専門であるか
- 古物商許可を取得しているか
- 実績や口コミ・評判が確認できるか
- 出張買取に対応しているか
- LINEやWEBで事前査定ができるか
- 手数料やキャンセル料がかからないか
これらを事前に確認することで、悪質業者やトラブルを避け、安心して売却できます。複数業者に相見積もりを取るのも有効な手段です。
まとめ|相場を知って後悔しない農機具買取を
農機具の買取相場は、機種・メーカー・年式・状態によって大きく変動します。
しかし、買取価格を左右する要素を理解し、適切なタイミングと方法で売却することで、本来の価値に見合った価格で手放すことが可能です。
特に重要なのは、「農機具専門の買取業者」に依頼すること。専門知識をもとに、どんな状態の農機具でも丁寧に査定し、高価買取を実現してくれるパートナーとなってくれるしょう。
まずはLINEやWEBでの簡単査定を活用して、今の相場を知ることから始めてみてください。
あなたの農機具が思わぬ高値で売れるかもしれません。