農機具の処分費用と方法7選|高く売る可能性も解説

農機具の処分費用と方法7選|高く売る可能性も解説

古い農機具をどう処分すればいいのかお困りではありませんか?納屋や倉庫のスペースを圧迫し続けているトラクターや耕運機を前に、途方に暮れている方も多いでしょう。

「処分するのに高額な費用がかかるのではないか」という不安は、もっともなことです。

この記事では、そんなお悩みを解決するために、農機具の処分にかかる費用の相場から具体的な処分方法までを詳しく解説します。費用を払うどころか、思わぬ高値で売却できる可能性についてもご紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

あなたに最適な農機具の処分方法が必ず見つかるはずです。

目次

農機具の処分、費用を払う前に「売却」を検討すべき3つの理由

農機具の処分を考えたとき、多くの方がまず「処分費用」を心配されます。しかし、費用を払って処分するのは最終手段です。

その前に、まずは専門の買取業者に「売却」の相談をすることを強くおすすめします。なぜなら、費用を払うどころか、逆にお金を受け取れる可能性が高いからです。

ここでは、処分より先に売却を検討すべき3つの大きな理由を解説します。

理由1:処分費用がかかるどころか、思わぬ高値がつくことも

「こんなに古くてボロボロの農機具に値段がつくはずがない」と考えるのは早計です。

実は、日本製の農機具は頑丈で性能が良く、海外で非常に高い人気があります。そのため、国内では価値がないと思われるような古いモデルでも、海外の販路を持つ業者なら高値で買い取ってくれるケースは少なくありません。

ガラクタだと思っていた農機具が、思わぬ臨時収入に化ける可能性があるのです。

理由2:壊れていても・動かなくても買取可能なケースが多い

エンジンがかからない、一部が破損しているといった状態でも、諦める必要はありません。農機具専門の買取業者は、自社で修理する技術や設備を持っていることが多いです。

また、修理不可能な場合でも、まだ使える部品を取り出してパーツとして販売するルートを確保しています。そのため、動かない農機具であっても、部品としての価値を評価して買い取ってもらえるのです。

故障の状態 なぜ価値がつくのか
エンジン不動 修理技術を持つ業者が再生可能、あるいはエンジン以外の部品に価値があるため
パーツの欠損・破損 他の正常な部品を再利用できるため。特に純正部品は需要が高い
タイヤのパンク タイヤ交換は比較的容易なため、本体の価値に大きく影響しないことが多い
外装のサビ・劣化 内部機関が正常であれば、外装は整備されるため問題視されないケースが多い

理由3:面倒な運搬・手続きもプロに任せられる

農機具の処分で最も悩ましいのが、その大きさと重さです。自分で動かしたり、どこかへ運んだりするのは非常に困難です。

しかし、農機具専門の買取業者に依頼すれば、査定から引き取りまで、自宅や農機具の保管場所に来てすべて対応してくれます。

面倒な運搬作業や複雑な手続きは一切不要で、電話一本で専門家がすべて代行してくれる手軽さは大きなメリットです。

農機具の処分費用はいくら?方法別の料金相場を一覧比較

農機具の処分には、費用がかかる方法とお金がもらえる可能性がある方法が存在します。

ここでは、それぞれの方法における費用の相場を一覧表で比較します。ご自身の状況と照らし合わせて、どの方法が最も適しているか検討してみてください。
■費用がかかる方法

処分方法 対象農機具 費用・買取相場 メリット デメリット
不用品回収業者 小型(耕運機等) 3,000円~15,000円 ・手間がかからない
・他の不用品もまとめて処分可能
・農機具の価値は評価されない
・悪質な業者が存在するリスク
大型(トラクター等) 10,000円~80,000円 ・手間がかからない ・費用が高額になりがち
・農機具の価値は評価されない
・悪質な業者が存在するリスク
スクラップ業者 小型・大型 処分費用が発生する場合あり ・どんな状態でも処分できる ・農機具としての価値がゼロになる
・運搬の手間がかかる場合がある

■お金になる可能性がある方法

処分方法 対象農機具 費用・買取相場 メリット デメリット
スクラップ業者 小型・大型 0円~10,000円程度の買取 ・金属資源として買い取られる ・買取価格は非常に安い
下取り 小型・大型 新しい農機具の購入代金から値引き ・買い替えと同時に処分できる ・市場価格より安く評価されがち
・新車購入が前提
農機具買取業者 小型・大型 0円~50万円以上の買取 ・高価買取が期待できる
・壊れていても価値がつく
・運搬の手間がかからない
・業者によって査定額に差がある

スクラップ業者は、金属資源として買い取ってもらえてお金になる可能性もありますが、処分費用のほうが高くなるケースが多いため、処分方法としてはあまりおすすめできません。

費用がかかる場合~不用品回収・スクラップ処分の費用相場

どうしても売却が難しく、費用を払って処分せざるを得ない場合の相場は以下の通りです。

処分方法 農機具の種類 費用相場(目安) 備考
不用品回収業者 小型農機具(耕運機、草刈機など) 3,000円~15,000円 燃料が残っていると追加費用がかかる場合がある
大型農機具(トラクター、コンバインなど) 10,000円~80,000円 解体が必要な場合はさらに高額になる可能性がある
スクラップ業者 全般 無料~数千円の処分費用 自身で持ち込むか、引き取りに来てもらうかで費用が変動

不用品回収業者は手軽ですが、運搬費や人件費が上乗せされるため高額になる傾向があります。費用は農機具のサイズや状態、業者によって大きく変動するため、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。

お金がもらえる場合~買取・下取りの相場

処分費用を払うのではなく、農機具をお金に換える方法です。

下取りは新しい農機具の購入が前提となり、買取価格は市場相場より低くなる傾向があります。

一方で、農機具専門の買取業者であれば、農機具そのものの価値を正しく評価してくれるため、高価買取が期待できます。状態やモデルによっては、数十万円以上の価値がつくことも珍しくありません。

農機具の7つの処分方法|メリット・デメリットを徹底比較

農機具の7つの処分方法|メリット・デメリットを徹底比較

農機具を手放すには、いくつかの方法があります。

ここでは7つの主要な処分方法を取り上げ、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。ご自身の農機具の状態や、かけられる手間などを考慮して最適な方法を選びましょう。

処分方法 メリット デメリット こんな人におすすめ
農機具買取業者 ・高価買取が期待できる
・壊れていても価値がつく
・運搬や手続きの手間がない
・業者によって査定額が異なる 少しでも高く、楽に処分したい全ての人
下取り ・買い替えと同時に処分できる
・手続きが一度で済む
・買取相場より安くなる傾向
・新しい農機具の購入が前提
新しい農機具の購入が決まっている人
不用品回収業者 ・他の不用品も一緒に処分できる
・依頼から回収までが早い
・費用が高額になりやすい
・悪徳業者のリスクがある
農機具以外にも処分したいものが沢山ある人
スクラップ業者 ・どんな状態でも確実に処分できる ・農機具としての価値は評価されない
・買取価格は非常に安い
買取を断られた、完全に鉄くず状態の農機具を持っている人
農協(JA) ・身近な相談先で安心感がある ・買取価格は安い傾向
・対応していない地域もある
どこに相談していいか分からない人
個人売買 ・自分で価格を設定できる
・高値で売れる可能性がある
・手間と時間がかかる
・個人間トラブルのリスクが高い
農機具の知識があり、手間を惜しまない人
友人・知人に譲渡 ・費用がかからず、喜ばれる ・適切な相手を見つけるのが難しい
・後のトラブルに発展する可能性もある
譲りたい相手が具体的に決まっている人

1.農機具買取業者への売却|高価買取が期待でき、手間も少ない

最もおすすめの方法です。専門知識を持ったスタッフが農機具の価値を正しく査定し、国内外の再販ルートを持っているため高価買取が可能です。

電話一本で無料出張査定に来てくれ、運搬もすべて任せられるため手間もかかりません。

2.新車購入時の下取り|手間はないが、買取価格は低め

新しい農機具を購入する販売店で、古いものを引き取ってもらう方法です。購入と処分が一度に済むため手間はかかりませんが、買取専門業者ではないため査定額は低くなる傾向があります。

3.不用品回収業者への依頼|手軽だが費用は高額になりがち

他の家具や家電などと一緒に農機具の回収を依頼できるのがメリットです。

しかし、農機具の専門知識がないため価値は評価されず、純粋な処分費用として高額な料金を請求されることもあります。

4.スクラップ業者への依頼|どんな状態でも処分できるが価値はつかない

農機具を鉄資源として処分する方法です。鉄の相場によってはわずかな買取価格がつくこともありますが、基本的には農機具としての価値はゼロになります 。

買取業者に断られた場合の最終手段と考えるのが良いでしょう。

5.農協(JA)への相談|安心感はあるが、買取対応は地域による

身近な存在であるJAに相談する方も多いですが、注意が必要です。農機具の処分や買取に対応しているかどうかは地域やJAの方針によります。

対応している場合でも、提携業者への紹介が主で、買取価格は市場相場より低くなるケースが多いです。

6.ネットオークション等での個人売買|高値の可能性もあるが、手間とリスク大

自分で価格を決めてインターネット上で販売する方法です。中間マージンがないため高値で売れる可能性がありますが、写真撮影や説明文の作成、購入者とのやり取り、梱包・発送手配など、すべて自分で行う必要があります。

また、「動かない」「説明と違う」といったクレームなど、個人間トラブルのリスクも非常に高いです。

7.友人・知人に譲渡|費用はかからないが、トラブルに注意

農機具を知り合いや友人に譲る方法です。お金が発生しないため費用はかからず、相手に喜んでもらえる可能性も高いです。

ただし、譲った後に故障や不具合が起きた場合、「もらったのに修理代がかかった」などのトラブルに発展する可能性があります。また、適切な相手を見つけるのも簡単ではなく、すぐに譲渡先が見つからないこともあります。

譲りたい相手が具体的に決まっている場合にのみ、有効な方法といえるでしょう。

機種別~トラクター・コンバイン・耕運機などの処分費用と注意点

処分したい農機具の種類によって、費用や査定で重視されるポイントは異なります。ここでは主要な農機具ごとに、処分時の注意点や高く売るためのコツを解説します。

農機具の種類 処分時の注意点 高価買取のポイント
トラクター ・大型のため解体・運搬費用が高額になりやすい ・海外での需要が高く、古いモデルでも高値がつく
・アワーメーター(稼働時間)が少ない
・人気メーカー(クボタ、ヤンマー等)
コンバイン・田植え機 ・内部に穀物が残っていると害虫の原因になる
・シーズンによって需要が大きく変動する
・シーズン直前(春〜夏)に売却する
・刈り取り部分や植え付け部分の状態が良い
・清掃が行き届いている
耕運機・草刈機 ・小型のため比較的処分費用は安い
・燃料の抜き取りなど安全な処理が必要
・エンジンが一発で始動するなど状態が良い
・刃こぼれなどが少ない
・付属品(アタッチメント等)が揃っている

トラクターの処分費用と高く売るコツ

トラクターは大型で重量があるため、不用品回収などで処分すると費用が高額になりがちです。

しかし、買取市場では最も人気のある機種で、特に海外での需要が高いため、古くても驚くような高値がつく可能性があります。

査定では、メーカーや型式、馬力、アワーメーターの数値、エンジンやタイヤの状態などが総合的に評価されます。

トラクターの買取相場や高宇売るためのポイントが知りたい方は、下記記事を参考にしてください。

【トラクターの買取価格相場】高く売るための方法も解説

コンバイン・田植え機の処分費用と高く売るコツ

コンバインや田植え機は、稲作に特化した機械であるため需要期が限られます。売却を考えるなら、農家が準備を始める春から夏にかけてが最も高く売れるタイミングです。

査定前には、内部に残った藁や籾をきれいに清掃しておくと、丁寧に使われていたという印象を与え、査定額アップに繋がります。

【コンバインの買取価格相場】?高く売れるコンバインの特徴

【田植え機の買取価格相場】田植え機の買取相場と高く売るためにすべきこと

耕運機・草刈機など小型農機具の処分費用と注意点

家庭菜園でも使われる耕運機や草刈機は、比較的処分しやすい農機具です。

不用品回収業者でも数千円で引き取ってくれる場合がありますが、その前に買取業者に査定を依頼してみましょう。状態が良ければ数万円の値段がつくこともあります。

査定では、エンジンの始動性や刃の状態、付属品の有無などがチェックされます。

【耕運機の買取価格相場】メーカーやモデルによって大きく変わる

【草刈機・芝刈機の買取価格相場】売る時期や人気のメーカーなど高く売るためのコツ

トラブルを回避するために!信頼できる農機具処分業者の選び方と注意点

農機具の処分や売却を依頼する上で、最も重要なのが「信頼できる業者を選ぶこと」です。

残念ながら、中には不当に安く買い叩いたり、高額な処分費用を請求したりする悪質な業者も存在します。

安心して任せられる優良な業者を見極めるためのポイントと、注意すべき点について解説します。

失敗しない業者の選び方5つのチェックリスト

業者を選ぶ際には、以下の5つのポイントを必ず確認しましょう。

  1. 古物商許可番号を明記しているか
    中古品を売買するには、都道府県の公安委員会から「古物商許可」を得る必要があります。公式サイトや広告に許可番号がきちんと記載されているかを確認しましょう。これは正規の業者である最低条件です。
  2. 複数の業者から相見積もりを取る
    2社以上の業者から見積もりを取り、査定額やサービス内容を比較検討しましょう。1社だけの査定では、その金額が適正かどうか判断できません。
  3. 査定の内訳を丁寧に説明してくれるか
    なぜその査定額になったのか、プラス査定のポイントやマイナス査定の理由を具体的に説明してくれる業者は信頼できます。質問に対して曖昧な回答しかしない業者は避けましょう。
  4. 実績や口コミを確認する
    業者の公式サイトで買取実績を確認したり、インターネットで口コミや評判を調べたりすることも重要です。
    実際に利用した人の声は、業者選びの参考になります。
  5. 契約内容を書面で交付してくれるか
    査定額や引き渡し条件、支払い方法などを明記した契約書を必ず発行してもらいましょう。
    口約束だけでなく、書面で契約内容をしっかり確認することがトラブル防止に繋がります 。

【信頼できる業者を探す】農機具買取業者の評価や口コミを徹底調査!

要注意!悪徳業者の手口と不法投棄のリスク

「無料で何でも回収します」と宣伝しながら地域を巡回している業者には特に注意が必要です。トラックに農機具を積み込んだ後で、「これは処分費用がかかる」と高額な料金を請求する手口が報告されています。

また、回収した農機具を山林などに不法投棄するケースもあります。不法投棄は法律で厳しく罰せられており、場合によっては処分を依頼した側も責任を問われる可能性があります 。

大切な農機具を適切に処理し、トラブルを避けるためにも、許可を持つ信頼できる専門業者を選びましょう。

【要注意】農機具買取の落とし穴!悪徳業者5つの見極め方を解説

【Q&A】農機具の処分費用に関するよくある質問

最後に、農機具の処分費用に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q. 処分費用はいつ支払うのですか?

A. 不用品回収業者などに処分を依頼する場合は、通常、農機具を回収した当日に現金で支払います。

買取業者に売却する場合は、査定額に納得して契約が成立した後、その場で現金で支払われるか、後日銀行振込で支払われるのが一般的です。

Q. 見積もりだけでも無料ですか?

A. ほとんどの農機具専門買取業者では、出張査定や見積もりは無料で行っています。

査定額に納得できなければ、その場で売却を断っても費用は一切かかりません。処分費用がいくらかかるか不安な場合も、まずは気軽に無料査定を依頼して、ご自身の農機具の価値を確かめてみることをおすすめします。

まとめ~農機具の処分はまず専門の買取業者へ無料査定を

使わなくなった農機具の処分は、費用がかかる厄介な問題だと考えがちです。

しかし、実際には処分費用を払うどころか、高値で売却できる可能性を秘めた「資産」かもしれません。大切なのは、「捨てる」という選択をする前に、その価値を正しく評価してもらうことです。

まずは、この記事で紹介したポイントを参考に、信頼できる農機具専門の買取業者に無料査定を依頼してみてはいかがでしょうか。

面倒な運搬の手間もなく、自宅で待っているだけで、あなたの農機具が持つ本当の価値を知ることができます。それが、最も賢く、お得に農機具を処分するための第一歩です。